自彊術|足もみ、手もみ、顔こすりの効果・やり方

自彊術(じきょうじゅつ)って何?

動きも怪しい…声も聞こえるし、宗教団体なの?と疑問を持っている方がとても多いですね。

名前を聞くと、読みづらい漢字に、はたから見ると怪しい動き、そしてカウントする声にどう見ても怪しさ全開ですし、健康体操というのに、内容に「按摩、指圧、整体、カイロプラクティック、マッサージ等をミックスした数百種に及ぶ手技療法で難病を治した」と言われたら、「怪しい団体にしか見えない!」となりますよね。

実は、自彊術とは、現在の日本で唯一、治病を目的とした医療体術、運動療法として採用されており、学術論文が出されるほどの効果が見られているのです!

この自彊術とはラジオ体操の前身で、日本で最初・最古の健康体操でしたが、戦後の欧米医学・医療の発展で廃れ、ラジオ体操の普及で一時は姿を消したのでした。

現在は約5万7千人の会員がいるとはいえ、メジャーとは言えない自彊術は、東洋医学という位置づけもありますが、名前からしてもとっつきにくく、怪しさと難しいイメージが先行しています。

ですが、この健康体操は実は高齢者にもできる簡単な体操で、運動が苦手な人でも簡単に出来るものです。おまけに使うのはヨガマット一枚分のスペースのみ!自分一人でもできますので、自宅で簡単にできます。

在宅ワークが増え、仕事場でもパソコンなど長時間のディスクワーク中心生活で体が凝り固まってはいませんか?

そんなときにも、自彊術体操することで体をほぐしてくれることと、続けることで血行の促進だけではなく、風邪の予防や生活習慣病の予防と言った効果が期待できるすごい体操なのです。

とはいえ、即効性は期待できないようで、体が軽いな?といった感覚的なものからじわじわと効いてくるというもの。しかし、最近頭痛がひどく、肩凝りで動かなくなったからだがほぐれてくれるのであれば体験してみたくなります。

自彊術体操はYouTube動画などで見れば15分程度と手軽にできます。

実際の講習のときにはその前に準備体操として「足もみ」「顔もみ」などがあります。

また、時間があればマッサージなどで背中や肩、腕など体をもみほぐす方法、「腕の療法」や「十字路揉み」といった事を学ぶこともできます。とはいえ、身体全身を使った体操なので、最初はやはり一度体験会などで基礎からきちんと教えてもらう方が体に負荷なく、安全に始められます。

気功の講師からもお勧めの自彊術体操をぜひ、体験してみましょう!

自彊術『足もみ』はどんな効果がある?

自彊術の足もみには、揉む、引っ張る、押す、叩くなどの動作があります。

膝のツボは特に胃腸や腹張・腹痛・嘔吐・下痢などの消化器系疾患の働きを調整するのに効果的です。

足首付近にある三陰交や太谿(たいけい)といったツボは冷えを解消してくれ、足首を回したり、引っ張ることで可動域を広げたり、ツボを押したり、足をたたくことで血行回復や疲労回復、消化器系に効果があります。

足もみには多様な効果が見られていますし、ちょっとして時間で出来そうな動きもたくさんありますので、実践してみるといいですね。

では、やり方を順に追っていきます!

自彊術『足もみ』のやり方

脚を揉んでいきます。

全9か所を3回ずつ手でしっかり挟み込み、揉んでいきます。太ももから膝にかけて4か所を上から順に揉んでいきます。4か所目の膝上にあるツボ、梁丘(りょうきゅう)と血海(けっかい)は中指と親指で同時に掴むように念入りに押しましょう。

さらに膝下から足首まで5か所を同じように揉んでいきます。5か所目は、ひざ下3cmの所のツボ、足三里と陰陵泉を念入りに揉み込んでいきます。6か所目の地機(ちき)は陰陵泉の9cm下、7か所目の蠡溝(れいこう)は、すね骨まんなかの少し下のすね骨内側面の骨あたりです。

8か所目は三陰交で下腿内側の内くるぶしの7cm上、すね骨内側面の骨の際、9か所目の太谿(たいけい)は踝の際のくぼみ、内踝とアキレス腱の間のくぼみです。

アキレス腱をもんでいきます。

アキレス腱を右親指で押すように上から下へ4か所を4回揉んでいきます。

足首を回します。

足首を左手で掴み、外回し・内回しを各10回します。反対も同じように行います。

爪先を反らしたり曲げたりします。

手の指を足指の間に入れたまま、くるぶしの所から足首を上下に10回曲げます。

足の指を引っ張ります。

足の指の側面および裏表を1本ずつ揉み、指先を強めに引っ張ります。横に4回、上下に4回、各指ごとに5回行います。引っ張ると関節の可動性を高め、収縮や癒着を緩めてくれます。

足指の谷間を押しながら揉んでいきます。

親指の横腹で足の小指側から臨泣(りんきゅう)衝陽(しょうよう)太衝(たいしょう)行間(こうかん)という4点のツボを押しながら足首方向から骨の谷間4列を1往復します。

足裏のツボを押します。

湧泉のツボを、両手の親指の腹を重ねて爪先方向に6回押し、次に、土踏まずの中央の総健点のツボを同じく6回押します。

左足の時は「反射帯療法」に少し寄り道しましょう。足裏には、頭、臓器・器官、筋肉など体の各部分が縮小・反射投影されていて、その反射帯を刺激するのを反射帯療法といいます。反射帯を順次、揉んでいきましょう。

①指の裏(頭部)②足の裏を4分割して、胸部、上腹部、下腹部、最下腹部。③自律神経の大本である太陽神経叢、湧泉の位置を各々、6回揉んでいきます。

右足の時の「反射帯療法」は、各反射帯を刺激することで、血液やリンパの流れをスムーズにして自然治癒力を高めます。反射帯はひろくゾーンになっていますので幅があり、初心者でも容易に押さえられます。

土踏まずを拳骨で叩きます。

左足首をしっかり持って、30回たたき、反対も同じように行います。

足首を上下に振ります。

各部位が文字だけだとわかりづらいので、ツボなどの画像を見て確認してください。

出典:自彊術memo-付録

足もみをしっかりとするだけでもだいぶ足が軽くなった感じがしました。たくさん歩いた日や立っている時間が長く、足がむくんでしまった時にも効果的です。昼の時間だけではなく、夜のリラックスタイムにやるのもいいかもしれません。

この足もみに関しては残念ながら動画による解説がありませんでした。動き自体に難しい物はなかったので、ツボの位置が確認できれば誰でもできますね。足もみの参考のメモがありますので、イラストの画像を見ながらやってみるのもわかりやすくていいですね!

参考:自彊術memo2足もみ

ツボの位置も細かく画像で載っていますので、こちらを参考にしっかりと位置を確認して圧して刺激していく事が大切です。

自彊術『手もみ』はどんな効果がある?

自彊術に手もみと明確に掲示しているものはありません。代わりに腕の療法と言うものがあります。こちらは2人一組となり、先生と講習者、もしくは講習者同士で腕や手のケアを行います。

腕から肩にかけての動きになりますので、効果としては、

  • 頸肩腕症候群
  • むち打ち後遺症
  • 肩こり
  • 手の麻痺
  • 四十肩
  • 五十腕
  • 腱鞘炎
  • 筋肉痛

などが期待できます。とはいえ、引っ張ったりといった動作が多くなるので、素人同士やるよりも講師となる先生に指導を受けながら共に行う方がよさそうです。やり方もご紹介しますが、個人では難しいものになります。

では、やり方を追っていきましょう。

自彊術『手もみ』のやり方

右手で相手の右手と握手し、左手で相手の右肩を支え、右手を強く自分側に5、6回引っ張ります。
左手で右肩を支えたまま、相手の右手の各指を1本ずつ無理のない範囲で引っ張っていきます。
左手で相手の右腕の肘を掴み肘から下の右手を引っ張ります。
左手に相手の右手を載せ、右手の親指と人差し指で、指を1本ずつ、指の付け根の側面を指先に向かって揉み、次に指の背と腹を同じように揉んで、最後に指先を掴んで引っ張り、そのままの勢いでスポンと離します。
相手の合谷(ごうこく)を数回押してから、親指の先の側面で、手の甲の骨と骨の間を、指先の方に向かって揉みます。
相手の手のひらを上に向けさせ、両手の小指を相手の親指と小指の指の間に差し込んで、手のひらの真ん中を数回おします。親指を交互に使い、相手の手のひらを、指先の方に向かって、外側、内側と、繰り返し数回揉んでいきます。
相手の右手首を両手で握り、親指を揃えて、相手の腕を肩と水平ぐらいにまで引き上げ、引き上げた腕をそのまま下へさげます。これを5、6回繰り返します。
相手の片手を両手で手の甲側の手首に親指を添え包み込むように持って、軽く振ります。
親指を手の中に入れて軽く握り拳を作らせます。相手の腕の付け根のところから、右手と左手で内側に軽く力を入れて雑巾を絞るような感じで捻り、手首の方に向かって3回揉み下ろしていきます。つぎに外側に向けて、同様に3回揉みます。
相手の手を自分の膝の間に挟み、両手を重ねて相手の腕の付け根から手首の方まで、膝を曲げたり伸ばしたりしながら5、6回ゆすります。これを両手とも行います。

以上が腕の療法になります。引っ張るときには無理のない範囲で行う事と痛みが出ないように気をつけましょう。

こちらも残念ながら動画などがなかったので、やり方メモを参考にやってみるといいでしょう。

参考:自彊術memo6 腕の療法

同様に十字路揉みも実践すると肩と背中のが楽になる事で腕も動かしやすくなります。こちらはツボを順番に押していく事になりますので、参考のメモを見ながら位置確認をして行うと良いでしょう。

参考:自彊術memo5 十字路もみ

自彊術『顔こすり』はどんな効果がある?

顔こすりも自彊術では準備体操に当たります。

こする事での刺激での血流促進やツボの刺激などで頭痛、偏頭痛、顔面神経痛、三叉神経痛、肩こりや頭痛の解消に役立ちます。また、風邪の予防にも役に立つので、季節の変わり目などには、ぜひ取り入れてみるといいですね。

顔は繊細な器官でもあるので顔こすりをするときにはしっかりと清潔にした手で行なうようにしましょう。

では、やり方を追っていきましょう!

自彊術『顔こすり』のやり方

この顔こすりに関しては動画で紹介しているものがありましたので、参考していただければと思います。

では手順をまとめてみましょう。

指引っ張り

指先にツボありますので、10本の指を根元からしっかり引っ張り、手を握り、両指の第一関節を順に押してゆきます。終わったら両掌を合わせて40回こすります。

顔こすり

手のひらを交互に刷り込むように「おでこ」「目」「鼻」の順で20回ずつ、こすっていきます。頬を下から持ち上げるように20回こすり上げます。耳を人差し指と中指で挟み下から上へと10回こすり、耳全体を掌で9回こすり、最後に耳朶を引っ張ります。

首を後から前へ交互に20回こすり、首の後ろも後ろから前に交互に20回こすります。次に胸の前を鎖骨を通るように左右交互に上から下へ交差して20回こすります。

顔のツボを押す

太陽のツボ(こめかみの気持ち目尻寄り)に人差し指を当て、前に10回、後ろに10回まわし、親指と人差し指の腹をつけ、つまむような指の形で前に10回、後ろに10回、ツボを揉みます。

迎香(げいごう)のツボ(小鼻の最も出っ張ったところの、つけ根の位置にある凹み)に人差し指を当て、奥に向かって6回押します。頬骨の下から親指で頬骨を持ち上げるように 強く押し、頬骨の下に沿って、凹んでいるところを、内側から外側に向かって4ヶ所を3回押します。

地倉(ちそう)のツボ(口角の外)を人差し指で口元の両端を6回押します。

耳と首の後を押す

人差し指で、①完骨(耳たぶの下後ろの骨の膨らみ)②聴会(耳たぶの前)③聴宮(耳の穴の手前)④耳門ジモン(耳の上の前)を順に3回押します。耳の穴に人差し指を入れ、手前にはじくように抜く事を6回繰り返します。

風池(ふうち)のツボ(後頭部と首の境目の凹み、髪の生え際)、盆の窪を親指で6回押します。

天注(風池より少し内側の脊柱側、僧帽筋のキワの髪の生え際)から中指と薬指をつけて首の後ろの左右にある太い筋「肩甲挙筋」を骨沿いに肩まで左右に揺らしながらゆっくり上から下まで4回押しながらもみます。

指先でたたく

口の周りを指先で交互に50回くらいたたき、頭の上を指先で交互に50回くらいたたきます。

以上が顔こすりになります。こちらもメモもありますのでチェックしていただくと詳しいやり方がわかります。

参考:自彊術memo1顔こすり

どちらも見ながらやってみましたが、やはり動画を見ながらの方が理解しやすかったですね。動画は時間が長くなっていますが、解説を挟んでの時間なので、動作だけであればそんなに長くはかからず、実際には10分程度と思って間違いはないです。

また、顔のツボの刺激は免疫力の上昇が期待できますので、季節の変わり目や風邪のはやり始めなどに効果を得られます。

個人的感想でいえば、顔をこする事でほうれい線が伸びてしわがなくなりそうな気がして、ちょっとしばらく続けたいかなと思いました。

自彊術体操はどんな効果がある?

自彊術体操は誰でもできる健康体操です。

その効能として、高血圧、動脈硬化症、糖尿病、慢性関節リューマチ、自律神経失調症、更年期障害症、肥りすぎ、アレルギー体質、皮膚科の難病といった慢性的な病気に効果があります。

美容体操、運動不足、スポーツの前後運動、疲労回復運動、競技前のプレッシャーの払拭、ノイローゼといったものまでに効果が見られます。

頭痛、不眠、頸肩腕症候群、むち打ち後遺症、肩こり、手の麻痺、四十肩、五十腕、腱鞘炎、筋肉痛、変形性背椎症、背柱彎曲症、喘息、慢性胃腸炎、胃潰瘍、便秘、痔、慢性肝炎、慢性腎炎、婦人科疾患、腰痛、椎間板ヘルニヤ、坐骨神経痛、変形性ひざ関節症、足麻痺の症状等には体感的に早くに効果を感じやすいものになります。

また、直接関係のないような白内障、慢性鼻炎、中耳炎、口内炎、歯槽膿漏にまで効果が検証されています。

自彊術には31の動作があり、各人の身体状況に応じその身体の可動域の極限まで動かす全身運動です。

全ての動作に意味があり、順番も理由がありますので、飛ばして行ったり順番を変えたりすることはできません。独特の呼吸法と号令を用いていますので、声を出すことも呼吸法ですから、指示通りに行う必要があります。

自彊術体操は講師の先生についてもらって基礎を学ぶのがやはり一番安全にできるものになります。

誰でもできる体操とはいえ、全身の筋肉や関節をしっかりと動かしていきますので、自己判断でやると筋を痛めたりといった事もあります。無理をせずに行う必要があります。

では、31の動作のやり方を動画で見てみましょう。

後半に行くほどになかなか高難度な体操になります。最初のうちに体をしっかりほぐし、緩めて、可動域を広げていきます。

しっかりと行うと体があったまり、ツボの刺激などで血行も促進され、普段動かさない筋肉を動かすことにより可動域も広くなり、全身をほぐしていく事が出来る、万病予防の体操となります。

動画だけだと体を痛めそうで不安があるため、講師の先生に教えてほしいと私は感じました。そんな時は、体験したいと公式サイトに問い合わせると最寄りの教室を教えてもらえます。

参考:公益社団法人 自彊術普及会

自彊術まとめ

自彊術体操は1916年に天才手技療法士、中井房五郎氏によって、日本最初の健康体操として発表されたのですが、その後の西洋医学の発展・戦争・カリスマ的後継者不足で徐々に見向きされなくなり、廃れました。

昭和40年に近藤芳朗医学博士の医学的解明よって復活をとげますが、学校でもラジオ体操が普及しており、メジャーには戻って来られませんでした。しかし、この体操は万病克服の治療体術であり、運動療法の一つとしても現在、注目を集めつつあります。

いくつでも始められる健康体操という事と、続けやすい動きに、続けると効果がしっかりと出てくることに、体験をした人が続々と継続していっています。子供からお年寄りまでできますので、まさにいつでも始められる体操です。

肩凝りや腰痛にいいだけではなく、呼吸法などで知らないうちにインナーマッスルが鍛えられ、ツボ押しで内蔵から健康になれるのが魅了ですね。

名前はちょっと怪しいイメージがありますが、この自彊術という名前は2600年前の中国古典『易経』の一節、「天行健君子以自彊不息」からとっていて、“天の運行はすこやかである。人間は健康を保つためには、毎日自ら勉めて休んではいけない”つまりは、健康を保つために自分で頑張りましょうと言うことでつけられた名前です。

これ一つを継続していければ、按摩、指圧、整体、カイロプラクティック、マッサージなどの効果も自分自身で上げることができるようになります。そういう考えるといろいろなものに通うよりもお得感がある体操ですね。

パソコンなどの作業をしていると肩凝りや腰の痛み、目の疲れで体が固まってしまい、つらい頭痛や体の痛みが出てきてしまいます。毎度、指圧や整体、カイロプラクティックに通うのは金銭的にも肉体的にも時間的にも厳しいものです。それが、動画を見ながら毎日15分で解消できるなら気持ちの面でもとても楽ですよね。

ぜひ、これから体を足もみや顔こすりでもみほぐして開放して、自彊術体操で健康な体と痛みのない生活を目指してみたいと思います。まずは実際の教室での体験からしてみたいものですね!